昨日までCOP10が名古屋で開かれていました。
ご存知の方がほとんどだと思います。 採択が難しいといわれていた名古屋議定書もなんとか採択されたようです。 新薬などを開発するための生物資源というのは主に途上国に多く存在しています。 たとえば、タミフル。タミフルの主成分は中国にある八角という木の実から抽出されます。 ほかにも抗がん剤。マダガスカルにあるニチニチソウという植物から主成分をとっています。 一方で、その生物資源から新薬を開発するのはおもに先進国がその役目を担っています。 新薬を開発することで莫大な利益を得れるわけです。 ここで問題になるのが、原産国にはこの新薬による利益が還元されないとそして生物資源を失ってしまう危険性があるということです。 名古屋議定書は、生物資源がある原産国、新薬を開発する先進国の間の約束事で、原産国にある生物資源を利用して新薬などを開発したときに、一部の利益を配分するというものです。その結果、生物資源がむやみやたらに生息地から持ち出されることを防ぎ、その配分された利益で生物多様性の保全をしようというものです。 もうひとつ、「里山イニシアティブ」と約束事があります。 それは、「日本の里山をモデルに暮らしと自然が共生する地域の保全を推進する」というものです。 里山に行ったことがある人はわかると思いますが、人と自然が非常に近い関係にあることがよくわかります。 COP10が名古屋で開催されていたのですが、残念なことが起こっています。名古屋に唯一ある平針の里山にCOP10開催中に樹木の伐採が開始されました。非常に残念です。 アクアリウム、特にネイチャーアクアリウムをやっている人なら生物多様性、植物と動物の関わりの重要性はよくわかっていると思います。 まず底床部分。ここには微生物が住みつきます。魚などの動物が排出したアンモニア、硝酸などを分解する微生物の住みかです。 次に、水草。余分なCo2の吸収をし、魚たちにとって必要な酸素を盛んに排出します。そのほかにも余分な物質、有機物を吸収し水をきれいにし、魚たちの隠れ家にもなります。 最後に動物たちです。魚、えびなどは水草の光合成によってできた酸素を利用して生きています。 ここで、上で述べた重要な要素を小さな水槽ではなく、大きな地球に置き換えて考えてみると多様性のある里山、自然が重要であるということがわかりそうです。 アクアリウムでの水は、空気。水草は、植物。魚、えびは人間やその他の生き物としてみましょう。 植物は空気をきれいにし、酸素を放出します。その放出した酸素を吸い、動物たちは生きています。 植物が多くの地域で伐採され、その結果住処を失った動物が絶滅に追いやられています。 今回のCOP10で掲げられた「里山イニシアティブ」。自然保護後進国である日本が自然保護に積極的に着手するいいきっかけになると思ったのですが、またひとつ里山が消えてしまうのは悲痛な思いです。
by kmtm5287
| 2010-10-30 23:53
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